【コラム】続・販売するコーヒーの産地紹介【おばた】

~モカとはなんぞや~

そもそもモカとはなんぞやというお話です。

モカといえば、カフェモカと呼ばれる飲み物がパッと頭に浮かぶ人も多いと思います。

しかしカフェモカとモカコーヒーは本来別物で、モカコーヒーに風味を寄せようとエスプレッソにチョコを加えた飲み物がカフェモカの起源なんだそうです(諸説あり)。

それではカフェモカの元となったコーヒーブランドとしてのモカについて説明していきます。

アフリカ大陸の東側、アラビア半島の最南端に位置するイエメン。

そしてモカはイエメンの西側、紅海に面した位置に存在した輸出港の名前でした。

イエメンは史上最も早く商業的にコーヒー栽培を行ったとされ、500年以上に渡り良質なコーヒーをモカ港から輸出してきました。

そして本来コーヒーノキの起源、原産国はご近所のエチオピアであり、モカ港にはエチオピアで生産されたコーヒー豆も一緒に集積されイエメンの豆とまとめて世界中へ輸出されていきました。

これにちなんでイエメンとエチオピア、両国で生産されたコーヒーがモカの名を冠されることとなりました。

これは世界で最も古いコーヒーブランドと言っても過言ではありません。

モカ港はスエズ運河の開業に伴い約150年前に廃港となり、モカの名は現在ではコーヒーのブランドとして残るのみとなりました。

イエメンやエチオピアでは、世界的にコーヒーノキの品種改良が進んだ現在でも野生種や原種に近いコーヒーが小規模農家で代々栽培されていたりと、現代でもその歴史の深さを感じることができます。

現在はイエメンモカやエチオピアモカと国ごとに銘柄を分けて扱われており、細かな産地や豆の等級によって銘柄は更に細分化されています。

たまこのコーヒーさんではイエメンのモカを扱っているようです。

~味について~

今回は前回の企画でもご用意させていただいた南米はブラジルのコーヒーと、中東はイエメン・モカの飲み比べとなっております。

癖の少ないマイルドなブラジルと飲み比べていただくことで、モカ特有の香りや味わいを分かりやすく感じていただけるかと思います。

単刀直入に、ブラジルと比較してモカは酸味に特徴のあるフルーティーなコーヒーです。

モカは苦みや甘みよりも酸味が目立つ傾向の味わいで、それでいてピーチやマンゴーのような完熟したフルーツのようなフレーバーを持っていたりととても華やかです。

酸味もまたベリー系であったり、芳醇なワインのように感じたりもします。

なので黒くて苦い飲み物だという日本人的なコーヒーのイメージから離れた位置に存在する味わいで、良い意味でコーヒーらしくないなと感じることも多々あります。

酸味がキモな銘柄のため、浅煎りといえばモカなんてイメージもあるぐらいには浅煎りコーヒー代表格だと個人的には思っているのですが、ここはけだまびより自家焙煎スタッフの腕の見せどころでしょうか。

焙煎スタッフ、煎りすぎないように気を付けましょう。

あとは豆自体にも特徴がありまして、イエメンモカで特に顕著なのですが豆が明らかに小粒で面白いです。

僕が初めてモカの豆を手に取った時はあまりにも粒が小さいもんで思わず「なんじゃこりゃ」と驚いたことがあります。

手動のコーヒーミルがいつもよりギチギチしてて目詰まりするんじゃないかと思いました。

それぐらい小さかったです、僕の記憶では。

このへんは是非実物を手に取って確かめてみてください。